活発なリサイクル

ピカピカのホイールと

廃タイヤの減少

リサイクルのための施設があちらこちらに建設されていますが、その一方で 持ち込まれる中古タイヤの量は減少傾向にあります。 これは持ち込まれないで不法に廃棄されているのではなく、発生量そのものが年々 少なくなっているのが原因のようです。 中古車が国内で処分されずに新興国に輸出されれば日本の施設でリサイクルする ことはできなくなりますし、その量がどんどん増加しているのでしょう。 リサイクルされている量は減少していますがリサイクル率は上昇しており、そのこと から廃タイヤの需要が高まっていることも分かります。 それをあてにして計画的に施設を建設してきたのでしょうし、サーマルリサイクル での燃料分は確保しないと工場を稼動させられなくて困る、という都合もあったり するでしょうから、処分すべき廃タイヤが少な過ぎても問題になってしまう、 なんとも不思議な話となっています。 一切発生しなくなったら失業する人もいると考えると複雑な気持ちですね。

不足分を輸入

廃タイヤの再利用が活発になってきましたが発生量は減少しており、いよいよ 国内分だけでは賄えないにまでなってきました。 その状況を打開するためにとった手は、廃タイヤの輸入です。 リサイクル先を作りすぎてしまったために必要な量を確保できないのですから、 そうするしか生き延びる手段はなかったのでしょう。 バランスよく受け入れ先を調整すればこのような事態にはならなかったでしょうが、 予想しづらいのか余裕を持って対策をしてきたからかとにかく不足しています。 処理しきれないよりかはましだと思いたいですし地球規模で考えれば適当に廃棄 される量は減るので、全く無駄なリサイクルではないでしょう。 処理能力にそれだけ余裕があればタイヤ以外の合成ゴム製品の処分をすることも できそうですし、今は輸入して割高なコストで運用しているとしても将来的には きっとその実績が花開く時がやってくるでしょう。

輸入される廃タイヤ

不足分の廃タイヤはそのままの丸い形状で輸入しているのではありません。 粉々に切り刻まれて切断された状態で日本にやってきます。 真ん中が空洞ですし並べると隙間もできるので、容積的に無駄が多いのがその理由の ひとつになっていると考えるのが無理のない解釈でしょう。 これはボランティアで引き取っているのではなく、また無料で提供されているの でもなく、お金を払って購入している形となっています。 そこまでしてリサイクルするのはいかがなものかという思いも確かにありますが、 不足した分は無しであるだけでやっていこう、というわけにもいかないのでしょう。 さすがに発生量が減っているのでそれに合わせた計画を立ててリサイクル量も 少なくしていこうとはしており、輸入量が増えないよう調整はしているようです。 理想としては一切輸入しなくても足りる、そして国内で発生した分は完全に処理 できるのがベストですが、なかなか上手くはいかないようです。