リサイクルの種類

後輪がパンクした車

リユースリサイクル

これは回収後もタイヤの原型をそのまま保ちつつ、再生タイヤとしてリユースする 一番単純でわかりやすいリサイクル法です。 中古タイヤでも品質にはバラツキがありますので、程度の良いものならそのまま でも充分商品にはなりますし、2年後の車検まで使っても大丈夫だろう、そんな 状態の良い掘り出し物もちょくちょくあるのです。 新車で購入して一ヵ月後にタイヤとアルミホイールを交換する、そのような人も いますから新品同様の性能を持つ中古タイヤも出回っているのでしょう。 そのままでは無理でも表面を加工することで、安い再生タイヤという商品に生まれ 変わることもできますしそこそこに需要もあります。 また形状はタイヤのままでそれ以外の用途に使うケースもあります。 公園の遊具などで、地面に半分だけ埋められたタイヤとかです。 トラックに使われていたような大きなタイヤなら、学校の校庭や公園でそのように 再利用される可能性も高いのではないでしょうか。

サーマルリサイクル

このリサイクルは、廃タイヤを燃料として再利用する方法です。 タイヤは合成ゴムで作られた製品なので原料は石油、つまり燃えるのです。 なので回収したタイヤを切断して燃料とすれば、熱エネルギーに変換することが 可能なため工場などでせっせと燃やすのです。 廃タイヤがあれば石炭を買ってきて燃やすのと同じ効果が得られるので、代替燃料 として全国各地でサーマルリサイクルは活発になっております。 ゴム製品が燃える場面を見たことはあるでしょうが、一旦火がつくと全てを燃やし 尽くすまで簡単には火が消えません。 タイヤを燃料にした場合も安定して燃えてくれますから、リサイクルしようという 意識がなくても普通に優秀な燃料となるのです。 ただ個人が庭で焼き芋を作ろうと燃やしたりするのは危険ですし、煙も発生するので それなりの設備が整った工場でなければお勧めできません。

マテリアルリサイクル

タイヤとしてではなく、また燃料としてでもなく、他のゴム製品に転生させるのが マテリアルリサイクルという方法になります。 回収後に細かく粉砕して合成ゴムの粉末にしてからそれを原料として他の製品 に生まれ変わらせるのですが、この方法ならばなんにでも転生できそうです。 ゴムっぽいものにならたいていは応用できそうですし、私達が気付いていないだけで 様々なタイヤのリサイクル品に日々遭遇しているのでしょう。 実際にはあまり柔らかいものには向いていないらしく硬めのプラスティックに近い 感じになるようで、公共施設なんかでの利用も多いそうです。 この方法なら溝が浅くて走行するのが危険と判断されるようなタイヤでも、パンク してしまい修理しないと再生不能なタイヤでも、平等にリサイクルすることができるでしょう。 このように廃タイヤも引退後はいくつかの道が用意されているので、その時の状態 に合わせて最適なコースに進み次の一歩を踏み出すのですね。